○思いの距離 2020.9.20
月もいけばなも、人の思いや感じ方で「距離」の感覚が大きく変わる。何も知らないと、月は平面上の空にただ浮かんでいるように見えるが、38万km先にあると知ることで、急に宙の奥行・深さが感じられる。
「水を掬すれば月手に在り(掬水月在手)」月を思い水を掬(すく)ったものだけが、遠くの月を手にすることができる。
同様に、いけばなは花を用いて、まわりに大きな空間を感じさせる。宇宙につながる大きな広がりを感じることで、目の前にある美が際立つ。
コロナ禍の現在、人々や国々の「距離」が物理的にも精神的にも遠くなるなか、遠く離れた人々が同じ月を見上げて思いを馳せることで、人々の距離が近づき、前向きに生きていくことができるのではないか?
宇宙へと続く空間を感じながら、昇っていく月を薔薇に見立てて、大切な人との思いの距離をもう一度感じ直してみてはどうだろうか?
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